日本刺繍とは
道具や素材
日本刺繍は、釜糸と呼ばれる絹糸を使います。
その釜糸をさまざまな太さ・平糸・撚り糸等で使い分け、
変化をつけながら刺繍していきます。
日本刺繍の歴史
日本の刺繍の起源は古く、1400年前の飛鳥時代にはあったと言われています。
当時は仏画に刺繍を施す儀礼的なもので、とても貴重な品でした。
平安時代に入ると都の貴族達が刺繍を施した衣装を着るようになり、宮中に「織部司(おりべのつかさ)」と呼ばれる織物から染色まで着物に関わる部署が出来たことで、都のあった京都で刺繍の技術が格段に発達していきました。
この頃の京繍の用途はさまざまで、艶やかな十二単を飾ったり、能の豪華な衣装などに使われました。
安土・桃山時代に入ると、宮中の貴族だけでなく武士や武士の奥方の小袖などに京繍が用いられるようになり、京繍を愛用する範囲が更に拡がっていきました。
江戸時代には裕福な庶民の財力を反映するかのように、小袖の全面に刺繍を施す図柄が流行し、刺繍文化の最盛期とも言える時期でした。
近年では、現代の生活様式にあわせた和装小物や帯、インテリア用品の制作などで京繍の伝統が受け継がれています。
伝統工芸HPより引用
日本刺繍の魅力
日本刺繍は お蚕さんが作った繭を紡いだ絹糸を使っています。
その絹糸は光沢をもち 柔らかで、かつ繊細な何百色もの色に染められ細く短い刺繍針で、一針一針思いを込めながら絹地に繍い込まれていきます。
12本の細い糸からなる平糸を 手で撚ったり細く分けて使ったりします。
手法は沢山あり、変わり縫いなどを入れれば30~40程にも分けられます。
私がたまたま立ち寄った京都の小さなお店で作家さんが個展をされていて最初に見た日本刺繍の素晴らしさに魅せられもう40年以上にもなります。
若い頃は本当に何もかも忘れて 何時間も台に向かったものです。
続けることが本当に苦しい時もありましたが、今思えばかけがえのない素晴らしい時間でした。
「まゆの会」の教室は20代から80歳代の方までいらっしゃいます。
皆さんと一緒に日本の伝統工芸でもある日本刺繍を、楽しく勉強させていただいています。
京都在住の私の師匠でもある小橋我峰氏は『針と糸で絵をかきなさい』と言われました。
お一人でも多くの方に 日本刺繍を身近に感じていただけたら幸いです。
日本刺繍まゆの会 末吉節子